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『督促は熱心なくせに』 『消えた年金』 政府や社保庁に不満の声 渦巻く
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自分の年金は、適正に手にすることができるのか。五千万件を超す納付記録が宙に浮いていることが明らかになるなど、「消えた年金」の問題がクローズアップされて以降、各地の社会保険事務所には記録の照会や問い合わせが相次いでいる。「しらばっくれているだけじゃないか」「督促は熱心なのに」。事務所前に列をなす人たちの間では、政治や社会保険庁への不満が渦巻いている。 四日午前七時前、東京都北区の北社会保険事務所の前に、同区内の会社に勤める埼玉県川越市の佐久間仁朗(じろう)さん(63)が陣取った。混雑ぶりを知って早朝に家を出たのだ。 「消えた年金」問題を知り、子どものころから自分の名前を何度も「じんろう」などと読み間違えられた記憶がよみがえった。妻の納付記録と照らし合わせると、自分の分だけ昭和五十年代の約五年分が空白だった。 「ちゃんと領収書がある。年金をもらう土壇場になって未納だなんて…。(社保庁が)ミスに気が付いたときには膨大すぎて、しらばっくれているだけじゃないか。政治家も無責任だ。国が泥棒をするのと同じ。よその国なら暴動だよ」。吐き捨てるように言った。 同区の無職の男性(65)は、自宅の大掃除で一九八〇年前後の領収書が見つかり、未納期間のものか調べてもらうために足を運んだ。電話では答えられないと言われた。 「『未納だ』『未納だ』と督促状は熱心に送ってくるのに、こういうときは音さたなし。ばかげている」と不満顔だ。 転職経験を持つ同区の派遣社員の女性(39)は、以前勤務していた会社を退職後の数カ月間分、未納と指摘された。「自分の将来のため」と欠かさず支払ったはずだが、領収書は残っていない。 「結局うやむやで、泣き寝入りみたい」と不信感をあらわにした。 「約四年分の保険料を未納扱いにされそうで困っている」。不安そうに訴えるのは、大田区の大田社会保険事務所を訪れた同区在住のショップ経営者、金子真美さん(51)。今年三月、四年間の保険料未納期間があると通知を受けた。心当たりがないため照会すると、約二十年前に未納期間があった。納得できずに調査を申請したが、二カ月たっても返答がなかったという。この日も「調査はあと二カ月ほどかかる」と職員に言われ、「大切な記録をずさんに扱った役所側が悪いのにね、もう保険料を払いたくないですよ。うやむやにされてしまうのは許せない」と憤った。 大田区大森西の無職本波則雄さん(65)も、七八年以前の約十年分の保険料が未納になっていると通知を受けた。「七七年ごろ、妻の分も一緒に過去十年分をさかのぼって支払った」。こう訴えても事務所側は「納付記録がない」の一点張り。本波さんは「名字を正しい『ホンナミ』ではなく『モトナミ』と呼ばれることがある。納付記録が間違っていたのでは」と疑う。保険料納付を証明する領収書などは手元にない。「自分のように小さな商店で働き、自分で保険料を支払ってきた者はどうすればいい」と途方に暮れている。 複数読みできる名前 自分の年金記録はどうなっているのか。確認したい場合、自分の基礎年金番号を知っておく必要がある。年金手帳に記載されている十けたの番号のことで、会社員は勤務先の総務や人事部門に尋ねれば分かる。 その番号を各地の社会保険事務所か、電話相談窓口「ねんきんダイヤル」(0570−05−1165、25日から0120−657830)に伝えれば、加入記録を知ることができる。インターネットでも照会は可能。その際は、あらかじめ自身の職歴などをまとめておいた方が、スムーズに調べてもらえる。 全国社会保険労務士会連合会によると、転職により年金手帳を複数持つ人は、基礎年金番号に一本化されていないと、すべての加入歴は表示されない可能性はある。また、「幸子」を「さちこ」「ゆきこ」と読むのかなど、氏名の読み方が間違われやすい人は、入力などの手続きの際にミスが生じている可能性もあるという。就職する際に募集要項の年齢制限に合わせようと生年月日を“操作”した人や、通称や内縁の氏名で記載した人も注意が必要という。同会では「定期的に確認した方がいい」と話している。東京都社会保険労務士会では毎週水曜日の午前十時から午後四時まで、「社労士110番」と称した電話無料相談=電03(3267)1196=を実施している。
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